約10年前

実家には、初代AIBO(ERS-110)があった。
当時AIBOの購入希望者が多く、購入には抽選が必要だった。
特にAIBOが欲しかった訳ではないが、抽選に応募したら、
当選してしまい、なんとなく購入することになった。
そんな成り行きで「飼う」ことになったAIBOはモーター音とともに
家の中をギクシャク歩いていた。
このマシンは、接している人に、あたかも愛嬌を振りまいているように
思わせるところがあり、生きているペットのような存在感や可愛らしさを感じさせた。
犬や猫のペットを飼ったことはないが、おそらくそれと同様の印象を
感じていたような気がする。
生物と無生物。
AIBOは当然ながら生物ではないが、「生物らしさ」を感じさせる何かがあった。
それが何であるかは分からない。
単純に「自律して歩行」していればそう感じさせるのかもしれない。
ソニーのエンジニアがそう感じさせるものを動作に組み込んでいたのかもしれない。


本書に答えがある訳ではないが、少しは理解のヒントがあることを祈って読み進めてみよう。