物語を作るのは誰か?

お腹の調子が悪いのでヨーグルトでも食べるかと、明治プロビオヨーグルトを飲んでみた。
この商品のパッケージを眺めた時、僕らはそこから何をどう読み取っているのか、そんなことが気になった。
そこに文字として書かれていることは以下の通り。

meiji
明治プロビオヨーグルト
LG21
ドリンクタイプ
低糖・低カロリー
45%カット 33%カット
リスクと戦う乳酸菌
LG21乳酸菌
要冷蔵(10℃以下)
はっ酵乳112ml
開封後はできるだけ早くお召しあがりください。

明治プロビオヨーグルト
LG21
LG21 ドリンク112ml
プロビオとはプロバイオティクス(=体に好影響を与える生菌や生菌を含む食品等)の造語です。
特許第3046303号他
本商品は、明治プロビオヨーグルトLG21ドリンクタイプに対して、エネルギー:33%以上カット、糖類:45%以上カットしています。

●種類別名称:はっ酵乳
●無脂乳固形分:8.0%
●乳脂肪分:0.5%
●原材料名:乳製品、ぶどう糖果糖液糖、砂糖、安定剤(ペクチン)、香料、甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物)、茶抽出物
●内容量:112ml
●賞味期限:キャップ側面に記載
●保存方法:10℃以下で保存してください。
●製造者:(株)明治KA東京都江東区新砂1-2-10

栄養成分1本(112ml)当たり
エネルギー 52kcal
ナトリウム 46mg
たんぱく質 3.5g
カルシウム 129mg
脂質 0.66g
糖質 7.8g
炭水化物 8.0g

お問い合わせ先:お客様相談センター
0120-598-369

●保存中、乳成分が沈み、上部に透明の層が出来ることがありますが、品質には問題ありません。よく振ってお飲みください。

実はこれをどんなに読み込んでも、身体に対する具体的な効果について読み取れない。
ここに書かれているのはいわば用語や単語などの「点」で、その「点」をつなぎ合わせて、自分に都合のよいそれらしい「線」を引いているのは僕ら自身だ。

消費者にそんな「物語」を想起させるのは何か?誰か?

メタボリズムの未来都市展を観て

六本木の森美術館で開催している「メタボリズムの未来都市展」を観てきた。<メタボリズムの未来都市展>
http://www.mori.art.museum/contents/metabolism/index.html

まず、メタボリズムという考え方がありそれに基づいて活躍した人物達がいたこと、それを知ることができた。恥ずかしながら赤瀬川原平らの超芸術トマソンと同じ類のものかと思っていたが、それはとんでもない無理解だった。

メタボリズムのコンセプトのもとにデザインされた建築物のカタチは現在でも斬新に見えるものだけど、カタチは重要ではないと感じた。あの時代、戦後からの復興、経済的躍進の中で、日本列島に滞在するヒトのこれからの営みを建築や都市計画の面からから考え抜いた人たちがいた。

メタボリズムから学べることはなんだろう。
恐らくメタボリズムの思想から昇華したもので現代に根付いているものはあると思う。ソフトウエア開発におけるオブジェクト指向もそれの一つかもしれない。

メタボリズムの思想やコンセプトの内容よりも大切なのは、時代の要請とはいえ、このような思想を立ち上げ、創造性を爆発させ、一部であるにしろそれを実現化した行動力だと思う。

今日の日本が復興を求めている時だとしたら、それはメタボリズムに基づいた建築や都市計画ではなく、強い思想に基づいた行動とその実現なのではと思う。

森美術館について。そもそもこんな高所に美術館を作る必要性が分からない。展示だけ鑑賞したいのに、高速エレベータでわざわざ高所まで連れていかれることに疑問を感じる。

創造し続けることへのカクゴ

これから<火をおこす>全ての人たちに送りたいメッセージ。
以下、引用です。

お集まりの皆様
今日、私は心からの想いを込めて重大な発表をいたします


私の人生及び職業に関することです
私は18歳でディオールのアシスタントになり
21歳で後を継ぎました


そして1958年最初のコレクションから
成功に恵まれました
あれから44年が経とうとしています
以来ずっと、仕事にすべてを捧げて生きてきました


誇りに思います
世界中の女性がパンタロンスーツや
スモーキング
ショートコート
トレンチを着ています
私は現在女性のワードロープを創造し
時代を変革する流れに酸化したのです


うぬぼれるようですが、私は昔からかたく信じていました
ファッションは女性を美しく見せるだけではなく
女性の不安を取り除き
自信と自分を主張する強さを与えるものです


人は生きるためとらえがたい「美」を必要とします
私はそれを追い求めとらえようと苦しみ
苦悩にさいなまれ持続をさまよいました
恐れや耐え難い孤独に怯え
精神安定剤や麻薬に頼ったこともあります
神経症に陥り更生施設に入ったことも
でもある日迷いから覚めて
立ち直ることができました


プルーストは書いています
「極度に神経質な痛ましくもすばらしい一族に属する」と
望んだ「一族」ではないですが
そのおかげで
私は「創造の天国」に昇れたのです


ランボーが言う「火をおこす者たち」と接し
自らを見出し知りました
人生で最も大切な出会いは自分自身と出会うことなのだと


しかしながら私は今日
心から愛したこの職業に別れを告げます

イヴ・サン=ローラン
2002年引退の記者会見より

イヴ・サンローランへの手紙

イヴ・サンローランへの手紙

ビリヤードの偶然と必然

ビリヤードの練習の過程は、
テーブル上の「偶然」を「必然」にしてゆくこと
だといえるかもしれない。

初めてビリヤードをする人には、
テーブル上で起こる出来事は、
運に支配された偶然の産物のように
見えるかもしれない。

経験を積むと、
自分でコントロールできる出来事が増え、
偶然が少なくなってゆく。

偶然を完全に排除することはできないけれど、
減らすことはできる。

プロのゲームで勝敗を分かつのは、
極限に減らされた「偶然」だといえる。

偶然を減らす度にそこから見える
景色は変わってゆく。

ビリヤードに限った話ではないけれど。

人のお誘いで、
久しぶりに球を撞いてそんなことを考えた。
また始めてみるかな。

Think different


まだリンゴに色があった時代のキャンペーン。
当時これを観た時、鳥肌が立った記憶がある。

Richard Feynman も
Francis Coppola も
Buckminster Fuller も
対象になっていたことをたった今知る。



GIGAZINE
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20070116_think_different/


YouTubeのThink Differentのパロディーもなかなか面白い。

映画”WATCHMEN”

TOHOシネマズ六本木にて鑑賞。


とても好きな作品のひとつになった。
でも、万人にオススメできる作品ではない。


解釈は色々できる。
この映画のタイトルをみて、
ウォッチメンとというヒーローが登場すると
思っているひとには、
ちょっとB級なヒーローが派手に暴れるだけ
の凡庸な作品と解釈することもできる。


彼らがどんな容姿をして、どんな乗り物に乗って、
どんなスペシャルな技をもったヒーローであるかは重要ではなく、
彼らを"メタ"な存在として捉えてみると、解釈はグッと拡がる。
(いずれのヒーローも他の作品のヒーローのパロディになっているそうで、
この作品では、オリジナルのキャラクターである必要性がない)


・善と悪
・社会とヒーローの共存
・ヒーローと悪の境界線
戦争と平和
・核
・不条理

往々にしていろいろな根源的な解釈を想起させる作品は、
評価されることが多いが、この作品も該当すると思う。


ヘミングウェイの「老人と海」を「老人」と「海」の物語だと
素直に解釈する人には、R-15指定の残虐なシーン満載のB級作品と映るかもしれない。


原作も再版されたようなので、見てみたいものだ。
おそらく原作には解釈のレイヤーがいくつも用意されているのだろう。


月面着陸やJFK暗殺にヒーローらが関わっていたというストーリーは、
それらの出来事への数々の「陰謀説」をパロディーにしているのかもしれない。
あらゆる原子を操る「Dr.マンハッタン」は、
ファット・ボーイを開発、製造した「マンハッタン計画」からとったのかもしれない。
ロールシャッハ」のロールシャッハのマスクは何かを象徴しているのかもしれない。
もしかしたら、この作品自体がロールシャッハ・テストなのかもしれない。


解釈は受け手に委ねられている。


ヒーローのひとり「ロールシャッハ」はすごくカッコイイ。特に声が良い!


ちなみに初回の席はガラガラ。
六本木ヒルズも午前はガラガラ。
毛利庭園の桜がキレイでした。


ウォッチメン(ネタバレあり)>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%A1%E3%83%B3

できないと思っていることはできないの法則

できないと思っていることを、やはりできないのは、
できるようになる努力を継続する気持ちを維持できないから、
できないという結果に結びつくのだろうなぁ、
とふと気がつく。