メタボリズムの未来都市展を観て

六本木の森美術館で開催している「メタボリズムの未来都市展」を観てきた。<メタボリズムの未来都市展>
http://www.mori.art.museum/contents/metabolism/index.html

まず、メタボリズムという考え方がありそれに基づいて活躍した人物達がいたこと、それを知ることができた。恥ずかしながら赤瀬川原平らの超芸術トマソンと同じ類のものかと思っていたが、それはとんでもない無理解だった。

メタボリズムのコンセプトのもとにデザインされた建築物のカタチは現在でも斬新に見えるものだけど、カタチは重要ではないと感じた。あの時代、戦後からの復興、経済的躍進の中で、日本列島に滞在するヒトのこれからの営みを建築や都市計画の面からから考え抜いた人たちがいた。

メタボリズムから学べることはなんだろう。
恐らくメタボリズムの思想から昇華したもので現代に根付いているものはあると思う。ソフトウエア開発におけるオブジェクト指向もそれの一つかもしれない。

メタボリズムの思想やコンセプトの内容よりも大切なのは、時代の要請とはいえ、このような思想を立ち上げ、創造性を爆発させ、一部であるにしろそれを実現化した行動力だと思う。

今日の日本が復興を求めている時だとしたら、それはメタボリズムに基づいた建築や都市計画ではなく、強い思想に基づいた行動とその実現なのではと思う。

森美術館について。そもそもこんな高所に美術館を作る必要性が分からない。展示だけ鑑賞したいのに、高速エレベータでわざわざ高所まで連れていかれることに疑問を感じる。