創造し続けることへのカクゴ

これから<火をおこす>全ての人たちに送りたいメッセージ。
以下、引用です。

お集まりの皆様
今日、私は心からの想いを込めて重大な発表をいたします


私の人生及び職業に関することです
私は18歳でディオールのアシスタントになり
21歳で後を継ぎました


そして1958年最初のコレクションから
成功に恵まれました
あれから44年が経とうとしています
以来ずっと、仕事にすべてを捧げて生きてきました


誇りに思います
世界中の女性がパンタロンスーツや
スモーキング
ショートコート
トレンチを着ています
私は現在女性のワードロープを創造し
時代を変革する流れに酸化したのです


うぬぼれるようですが、私は昔からかたく信じていました
ファッションは女性を美しく見せるだけではなく
女性の不安を取り除き
自信と自分を主張する強さを与えるものです


人は生きるためとらえがたい「美」を必要とします
私はそれを追い求めとらえようと苦しみ
苦悩にさいなまれ持続をさまよいました
恐れや耐え難い孤独に怯え
精神安定剤や麻薬に頼ったこともあります
神経症に陥り更生施設に入ったことも
でもある日迷いから覚めて
立ち直ることができました


プルーストは書いています
「極度に神経質な痛ましくもすばらしい一族に属する」と
望んだ「一族」ではないですが
そのおかげで
私は「創造の天国」に昇れたのです


ランボーが言う「火をおこす者たち」と接し
自らを見出し知りました
人生で最も大切な出会いは自分自身と出会うことなのだと


しかしながら私は今日
心から愛したこの職業に別れを告げます

イヴ・サン=ローラン
2002年引退の記者会見より

イヴ・サンローランへの手紙

イヴ・サンローランへの手紙