青色の街灯で犯罪が激減?

街灯を青色に変更すると、その地域の犯罪率が低下するらしい。
おそらく、犯罪率が低下しているという統計的に事実であると思う。
気になっているのは、「青色街灯」と「犯罪率」との因果関係だ。
いくつかのサイトを見ていると、それらしい理由が説明されている。

犯罪者の心理として、いつもと違ったり、普通とは違う状況に接した場合、
単純に警戒心が高まるような気がする。
(犯罪者になったことがないので、想像ですが)
やはり、犯罪を試みようとしている者には、
「普通は白い街灯なのに、何故この区画だけ青いんだ?」
といった印象を与えるのではないかと思う。
これが正しければ、確かにその区画での犯罪は抑止され、
犯罪率は低下するように思われる。
つまり、「青いこと」が犯罪を試みようとしている者に心理的な影響を与える
のではなく、「状況が異なること」が、抑止の効果になっているのではないだろうか。
極端な話、色は赤でも、緑でも、それがミラーボールであっても恐らく同様の
効果があるような気がする。

確かに街灯を変更した区画の犯罪率は低下するかもしれない。
でも、他の地域での犯罪率が増加するといったことはないのだろうか。
全国での犯罪率は変化していなかったりするのではないだろうか(=犯罪の総数は変化しない)。
統計的な裏づけはないので、思いっきりあてずっぽですが。


「青色の街灯」で「犯罪が激減」という安易な因果関係がちょっと引っかかる。
「満月の日は交通事故が多い」といった説と同じようなものか。
この手の話については、「人間この信じやすきもの」(新曜社)という本で説明
されています。やや高価ですが、興味深い内容の本です。


人間この信じやすきもの―迷信・誤信はどうして生まれるか (認知科学選書)

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