井の中の蛙大海を知らず、されど

とあるエッセイで、あの有名な「井の中の蛙大海を知らず」の後に
続く文があることを知った。
井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さを知る」と続くらしい。
インターネットで調べてみると、原典は荘子だそうで、「されど」以降
の文はどうも日本で付け加えられたものらしい。
いつ誰が付け加えたものか知らないが、洒落たことをするな、と。
「井」と「大海」のつながりから、連想されない「空」という要素を
引っ張り出してくる志向性がすばらしい。
この文があることによって、この全体の文の世界はぐんと広がっている。
この井の中の蛙くんの絶望感に光が差す。救いの手が差し伸べられる。
私たち「蛙」は「空の青さを知る」志向性をもつことによって、
いかなるも現実も異なる色の現実として認識することができる。
要はものごとをpositiveに考える、ということか。
「現実」って、英語では positive reality と表現するらしい。


井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さを知る」