「生きる」

生きる<普及版> [DVD]

生きる<普及版> [DVD]

黒澤映画におけるこの作品の位置づけや演出の技法、
脚本の良し悪しは良く分からないが、
自分には色々なことを考えさせる良い作品だった。

舞台は昭和二十、三十年代だと思われるが、
古さを感じさせることはなく、
残念ながらそのテーマは現代でも古さを感じさせず、
むしろ生き生きとしている。

死を目の前にしないと「本腰」をあげないというのは、
学生の夏休みの宿題に対する姿勢と同じなのかもしれない。

大抵の人は、明日があるという大前提があって日々生活を送っている。
人間の人生で定期的に「死ぬかもしれないフラグ」が立つ儀式が
あったら、もしかしたら限られてしまうかもしれないその時間を
誠意いっぱい生きようとするのかもしれない。
いや、でも自分だったら「まあ、死んじゃってもいいかっ」なんて
開き直ってしまいかえってぐうたらな時間を過ごすかな。